2つのシェル

友 人であ り人 生の パートナ ーで もあ るオ ブ ジェ: radio.cubo

1960 年代初頭、Brionvega は、Marco Zanuso と Richard Sapper とのコラボレーションを開始。その後このふたりは、長年にわたりBrionvegaとオーナー一家の協力者、そして友人となります。この並外れたコラボレーションから数多くの優れた オブジェが誕生しました。その中でも最も「有名」で、多数のデザインテキストや世界中の美術館で引 用されているのは恐らく、現在まで60年以上にわたり 製造されているradio.cubo 、つまり TS502 でしょう。

radio.cubo はカルト的オブジェとなり、自由、変化へ の欲求、そしてカラフルで陽気な生活のシンボルとなりました。オリジナリティにあふれたデザイン、使い やすさ、人間工学、色彩の鮮やかさ、自在に変化するフォルムなど、数多くの特徴により、このモデルはアイ コ ニック な オ ブ ジェとなった の で す。Marco Zanuso と Richard Sapperが考案したのは、世界中の あらゆる年齢や背景を持つ人々を魅了する美しさと独 創性を備えた、時代を超越したオブジェなのです。

1964年に誕生したradio.cuboは、瞬く間に革命的なオ ブジェとしての名声を獲得。もはやグレーではなくカ ラフルで、本のように開閉する2つのシェルからなり、角に丸みを持たせた直方体という斬新なフォルムを 備えています。開くと、普通のラジオとして使え、片側 にはスピーカー、もう一方には機能制御装置が配置 されています。閉じると、しなやかなラインと滑らか な表面を持つ彫刻のようなオブジェに変化し、電源を 切っていても魅力的な美しさを放ちます。

2人のデザイナーが、綿密な研究により、革新的な素 材を厳選。ボディにはプラスチック、構造の仕上げに はZAMAK金属合金といったソリューションを選択しました。この 一 連の 革 新 的な 選 択 が 可能となったの は、Brionvegaの先見性のおかげでもありました。自社の 事業分野では一度も使われたことのない原材料を使 用し、まったく新しい製造プロセスを作り上げること で、時代を超越したオブジェを生み出すことができる という自社の能力を信じていたのです。
このオブジェの本質的な美しさは、醸し出される魅力 にもあります。眺めているうちに、ラジオというその 主な機能を忘れてしまい、控えめでミニマルなインテ リアアイテムに思えてくることがよくあります。しかし 同時に、置かれている場所を生き生きとした雰囲気に 演出します。

取り外し可能なハンドルを備え、バッテリーを内蔵したradio.cuboは、持ち運びできるのが大きな特徴です。設計者が意図していたのは、集団で聴くための部屋 に閉じ込められた静的なオブジェとしてのラジオという、従来の考えを放棄することでした。そして、個人 的な使用に適したオブジェを作ることで、ユーザーが 思いのままに使え、自由に持ち運びできるようにした のです。

携帯性というメリットは、radio.cuboとの特別な関係 を育む上で重要なポイントの1つです。この特徴に加 え、鮮やかな色彩と美しいフォルムが生み出すダイナ ミズムが際立ちます。
ZanusoとSapperによるオリジナルの設計を忠実に再 現しつつ、DAB/DAB+受信やデジタルディスプレイ、新しいリチウム電池、Bluetooth機能といった、最新のテクノロジーで継続的にアップデートを行っており、スマートフォンやその他のデバイスとの接続も可能です。

radio.cuboの人気をさらに高めているのが、アメリカ のブランドSupremeとの独占的なコラボレーション です。2022 年にスタイルを一新した限定版を発売しています。2018年のEmporio Armani とのコラボレーションのように、Brionvegaは再びファッション界とタッグを組ん だのです。
radio.cuboは時代を超越したオブジェであり、何十年 にもわたって変わらぬ魅力を保ち続けていきます。それどころか、世界的に人気が高まっており、そのアイコニックな本質を愛する人々は増加の一途を辿っていることから、その魅力は拡大し、リフレッシュされています。